香港政府ナンバー2の李家超（り・かちょう）政務官（64）は6日、政府トップの林鄭月娥（りんてい・げつが）行政長官に辞表を提出し、5月8日投票の行政長官選に出馬する意向を表明した。
香港紙によると、有力候補は李氏だけとなる見通し。中国政府の支持を得たとみられ、長官選は事実上の信任投票になる可能性が高い。
李氏は元警察幹部で、2021年6月まで治安機関トップの保安局長を務めた。李氏が当選すれば、警察出身の行政長官は1997年の香港返還後、初めて。
李氏は6日夕、記者団に「辞職が承認されれば、長官選に出馬する準備をする」と述べた。長官選の届け出期間は今月3〜16日。
林鄭氏は4日に再選不出馬を表明しており、6月末の任期満了で退任する。
李氏は19年に大規模化した政府への抗議デモで保安局長として取り締まりを主導。民主派紙「蘋果（ひんか＜りんご＞）日報」の摘発を含む香港国家安全維持法（国安法）違反事件の捜査も指揮した。
中国の習近平指導部の信頼が厚いとみられており、21年6月、政務官に昇格した。米国は李氏を制裁対象に指定している。
中国は21年3月、香港の選挙制度を改変し、民主派が事実上、立候補できないようにした。
長官選などの投票権を持つ選挙委員会の委員1500人は親中派がほぼ独占しており、候補の届け出には188人以上の委員の推薦が必要。中国政府の支持を得た候補者が当選する仕組みとなっている。
https://mainichi.jp/articles/20220406/k00/00m/030/293000c
【香港時事】香港政府の林鄭月娥行政長官は４日の記者会見で、５月に迫った長官選挙に出馬しない意向を表明した。既に中国指導部に報告済みだという。林鄭氏は不出馬について「家庭の理由」と説明。任期の６月末まで職にとどまる。
香港では過去数カ月間、新型コロナウイルス感染が急増し、１００万人を超える感染者が出ている。徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ」を掲げる習近平国家主席の林鄭氏に対する信頼が失墜し、立候補を断念したもようだ。
https://www.jiji.com/sp/article?k=2022040400446&;g=int
