オール巨人の「M−1審査基準」は3つだった…話芸での勝負を評価する3組の「歴代優勝者」

▽聴いていて心地よいリズムができているか
▽下ネタや汚物をネタにしていないか
▽誰もが分かるネタか――の3項目を審査基準としていたことも明かした。

自身の基準でみると、「最近の漫才は何でもありになった」と語る。
陸上に例えて、「昔のベテランはきれいなフォームで走っていた。今はフォームは変やけど、同じ速さで走れる選手が増えてきた」と表現する。

 だが面白さは認めるものの、NGKのような老若男女が集まる劇場では、
「自分たち目線のネタだけで、ファン以外の客を笑わせるのは難しい」とする。
やりたい漫才をする芸人に「若手は遠回りするもの」と理解を示す一方で、
「目の前の客に合わせようとする謙虚さが必要。長く漫才を続けるうちに結局王道に近寄らざるを得なくなる」と力説する。

「自分のファンではない人を笑わせるのは難しい。分かりやすいネタを作ろうとすると、王道に近い漫才になる」と語るオール巨人=杉本昌大撮影

理想とするのは、“上方漫才の宝”と呼ばれた兄弟漫才コンビ「夢路いとし・喜味こいし」だ。

「2人とも強い個性があるわけではないのに、しゃべり出したら笑いが発生する。
掛け合いや間の取り方は、いとし・こいし師匠が(今の漫才よりも)絶対に上だと思う」
「しゃべりがうまいし、品もある。漫才は新しくなっていますけど、今後も(いとし・こいし以上に)進化はしないかもしれませんね」と絶賛。
「僕らは一生無理ですね」と苦笑するほどの存在だ。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20220415-OYT1T50200/