レアメタルとオリガルヒの深い関係
ウクライナ侵攻で「レアメタルパニック」は起きるのか?


 ロシアには1972年以来、毎年のように訪問してきた。若い時代の放浪の旅はロシアから始まった。私は89年のブランデンブルグ門の崩壊から91年のソ連崩壊に至るまでの激変もレアメタル資源ビジネスの現場を通してまさに現場で見てきた。以来、私のロシア訪問回数は60回以上になる。レアメタルの貿易取引を通じてロシアと周辺国家を定点観測してきたがそんな視点からレアメタルの今後を占ってみたい。


思い出されるレアアースショック

 当初のウクライナ戦争によるパラジウムやニッケルのスペキュレーション(投機)やマニピュレーション(市場操作)は予想の範囲であったが、プーチン大統領の度を越した侵攻から予想外の市場動向への波及も起こり始めている。

 そんな環境からレアメタル市場にはしばらくなかった既存勢力の激しい変化が玉突き状態となって予想外の事件に発展する可能性を感じる。
 2月に入ってからパラジウムやニッケルの市況が暴騰し始めた。言うまでもなくウクライナ戦争の影響である。


戦争プロパガンダに負けぬ、資源業界の情報戦

 4月に入ってからは停戦合意の流れが出てきたが首都キーウではウクライナ軍から「キーウ州開放」と「ロシア軍撤収時に地雷設置」の情報が出てきた。刻一刻と変化する情勢はまだ不透明な部分が多いようだ。

 きな臭い事件が起こると「メタルトレーダー」と呼ばれる胡散臭い連中が需給の偏りをチャンスと捉えて蠢きはじめる。これも戦争においてありもしない作り話を機会のあるごとにメディアに流すのと同じ話と言えなくもない。プロパガンダを流布して心理戦で有利に戦うように仕向けるのは金属市場においてもデマやフェイクニュースを流して需給を撹乱させる裏の闘いも同じことである。

 例えば、メタルトレーダー達はロシアが世界のパラジウムの4割を握っていることを利用して早めに値上がりしないうちに手に入れて在庫を増やすわけだ(ロングポジション)。

 その後は需給バランスがどのようになるかを予想するのだが、在庫を貯めた後には「供給が不安定だ」とか「需要が激増する」といった情報を流布することで、あらゆる手段を使って売り逃げするために喧伝するのだ。


以下ソース
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26318

US市場だけで世界の音楽語る奴って浅いよね