ロシアへの制裁で原油の供給が追い付かず、レギュラーガソリンの価格は高止まりを続けている。元東大特任教授の村沢義久さんは「ガソリン車に頼る日本車メーカーは、これで本格的に電気自動車(EV)へシフトせざるを得なくなった」という。ライターの落合龍平氏がリポートする――。

■ガソリンの高騰は「電気自動車シフト」を生む? 

 「ガソリン高すぎて、もうキレそう」
「ガソリン代で今月ピンチ……」
「いつまで値上がりするのか……」

 こんな声がユーザーの間に溢(あふ)れている。

ガソリン価格が記録的な高騰を続けている。資源エネルギー庁が発表した、4月4日時点のレギュラーガソリンの価格は、1リットルあたり174円10銭という高水準だ。庶民にとって、ガソリン価格の高騰はもちろん痛手に違いない。

 岸田政権も、ガソリン元売りへの補助金など、対策を打ち出してはいる。だが、世論が期待する「トリガー条項の凍結解除」には、依然として慎重な姿勢をとっている。

 さて、ガソリン高騰を受けて、「ある分野」に、今後ますます注目が集まりそうだという。 その分野とは、実は「電気自動車(EV)」だ。

■ランニングコストはガソリン車の約半分

 長年にわたりEVを研究し、『日本車敗北 「EV戦争」の衝撃』(プレジデント社)などの著書がある、元東京大学特任教授の村沢義久氏は次のように言う。

 「ガソリン価格の高騰が続けば、EVに乗り換える動きが出てくるでしょう。車種や使い方によっても変わりますが、通常の使い方なら、EVのほうがランニングコストははるかに安いからです」 https://news.yahoo.co.jp/articles/d3c9a476c0d07e355f36bf12f4763ae93fb3475a