原因不明の子どもの急性肝炎、欧州中心に報告相次ぐ WHOが注視
熊井洋美、後藤一也2022年4月20日 20時40分

 英国を中心に子どもが重い急性肝炎を発症したという報告が4月に入って相次ぎ、世界保健機関(WHO)が警戒を強めている。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は19日、アイルランドやスペインなどの欧州各国のほか、米アラバマ州でも疑い報告が寄せられたと発表。各国で原因究明に向けた調査が進んでいる。

 最初に症例を確認した英国の健康安全保障庁によると、今年1月1日〜4月12日に英国全体で74人の小児の急性肝炎の報告があった。多くで黄疸(おうだん)や下痢、腹痛などの胃腸症状がみられ、6人が肝臓移植を受けていた。死亡例は報告されていないという。

 同庁は、胃腸炎やプール熱(咽頭(いんとう)結膜熱)などを起こすアデノウイルスの関与が考えられるとし、新型コロナウイルスや他の感染症、環境的な背景も含めて調査を進めている。74人はいずれも新型コロナウイルスのワクチン接種を受けておらず、ワクチンとの関連は否定されている。飲食物や生活習慣にも共通点は見られなかったという。

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https://www.asahi.com/articles/ASQ4N6SFLQ4NUTFL00Z.html