磯崎仁彦官房副長官は25日の記者会見で、ウクライナ政府の公式アカウントが昭和天皇の肖像をナチス・ドイツのヒトラーなどと並べナチズム、全体主義の象徴とした動画を発信したことに関し「同列に扱うことは全く不適切で極めて遺憾だ。直ちに削除するよう申し入れた」と述べた。

動画は1日に投稿された。ロシアのプーチン政権を「現代のファシズム」と批判し、全体主義やナチズムは1945(昭和20)年に敗北したとするシーンで昭和天皇の肖像とともに、ヒトラーとイタリアの独裁者ムソリーニの写真を並べている。

磯崎氏によると、日本は在京ウクライナ大使館、ウクライナ大統領府に抗議し、動画は24日に修正された。ウクライナ側は外交ルートで謝罪し、公式アカウントにも「間違いに心からおわび申し上げる。友好的な日本の人々を怒らせる意図はなかった」などとツイートした。

在日ウクライナ大使館のアカウントに多くの抗議が寄せられ、自民党の佐藤正久外交部会長が24日、早急な対応を求めると発信していた。ウクライナのコルスンスキー駐日大使も「公平ではなく歴史的事実に対応していない。日本は最大の味方だ」などと修正を呼びかけ、謝罪を表明した。

松崎氏は「今後とも困難に直面するウクライナの人々に寄り添った人道支援を実施したい」と述べた。

https://www.sankei.com/article/20220425-LE7LD2ROBZKOBJ5HWOM2OOQNXU/