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「30キロでかくなって出直せ」と言われ…身長174センチ、体重53キロの女子プロレスラー・赤井沙希(35)が“体型批判”に思うこと

 2013年にプロレスデビューを果たした、プロレスラーでタレントの赤井沙希さん(35)。“二足の草鞋”を履く彼女の活躍ぶりは、元プロボクサーで俳優の父・赤井英和さん(62)の“二世”であることを感じさせないほどだ。

 しかし、プロレスと芸能活動を並行する赤井さんには、心ない批判が寄せられることもある。時にそれは、彼女の体型にまで及ぶのだった。赤井さんはそうした批判をどのように乗り越えたのか。そして、彼女がこれから目指す“道”とは——。
赤井さんに寄せられる体型への批判
――2022年で、赤井さんがプロレスデビューしてから9年が経ちました。芸能の仕事とプロレスと、“二足の草鞋”を履きながら続けるのは大変じゃないですか?

赤井 舞台やドラマのお仕事がある時にも試合があるじゃないですか。だから切り替えが大変ですね。それに試合でできたアザは写真だと修正してもらえるけど、動画だと隠すのが難しくて。

 あと、身長が高くて細身だから、ほかの選手やファンの方々からいろいろと言われたこともあります。

――例えば、どのようなことを言われるのでしょうか。

赤井 「あと30キロでかくなって、出直してこい」みたいなことですね。ほかの選手に「親の七光りで身体もできてなくて、プロレスを食い物にして楽しいのか」とか、「沙希ちゃん、今度の試合出るの? あなたみたいな選手は来ないで」みたいに言われたこともあったな(笑)。たまにSNSのDMでそういうメッセージが送られてくることもありますよ。
 もちろん、私のことを応援してくれる人もいるから、いまはそういう人たちの言葉を大事にするようにしています。それに私のことを嫌いな人も、プロレス自体は好きなんですよね。そう思うと、私に対する批判も全然平気です(笑)。

――DDT唯一の女子プロレスラーとして目立つ存在だからこそ、批判の矛先が向きやすいのかもしれませんね。
赤井 男子の中に1人だけ女子がいるから、「工業高校の姫」みたいな感じで“ちやほや”されているイメージがあるのかもしれませんね。確かに最初は気を遣われていましたけど、いまは誰も気を遣ってくれなくなりましたよ(笑)。

 それに私はあくまで、DDTという団体の1つの歯車になりたいと思っているので。だから男子とか女子とか関係なく、ほかの選手と同じ扱いにしてほしいと思っているし、実際にそういう扱いにしてもらっています。
もし「女子プロレスラーみたい」と言われたら……
――体型に関しては身長174センチ、体重53キロと公表されていますが、あえて細身にしているというのを別の記事で拝見しました。そこにはどのようなお考えがあるのでしょうか。

赤井 私がここから30キロを増やしたら、身長が高くて、体が大きくて……皆さんのイメージ通りの女子プロレスラーになってしまう。キャラクター性がなくなってしまうんですよね。
それに私がデビューした頃は、「女子プロレスラーみたい」というのがよくない表現で使われることが多かったんですよ。例えば、「この前の飲み会に来た女の子が女子プロレスラーみたいで」と話されたら、「えっ、どんなかわいい子なんだろう」とは思わないじゃないですか。きっと「どんな大きい子が来たんだろう」みたいなイメージを持ちますよね。

 私は「女子プロレスラー」のそういうイメージを変えたいなと思っていて。もちろん「大きくて強い」選手はパワーもあるし、今までもこれからもプロレス界を支えていく方々だと思いますけど、私みたいな細身の選手がいてもいいんじゃないかなとは考えています。もっとプロレス界にも多様性が求められていいんじゃないかと。
そして女子プロレスラーのイメージを変えることで、子どもたちに「沙希ちゃんみたいなプロレスラーになりたい」と言ってもらえるようにもなりたいですね。プロレスラーが子どもたちの将来の夢になる職業にしたい。

――プロレスのイメージを変えるために、体型は変えないようにしていると。

赤井 もちろん、試合をする上で最低限の筋肉や自分を守る力は付けてますけどね。