病院のPC画面に「pay」、身代金ウイルス感染か…数万人分の電子カルテ閲覧できず
 大阪府藤井寺市の青山病院で、患者数万人分の電子カルテが閲覧できなくなっていることがわかった。外部から不正アクセスを受け、データを復旧するために金銭を要求する「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染したとみられる。通常診療は続けており、患者の個人情報の流出は確認されていないという。

 病院によると、4月23日未明、院内のサーバーに保管している電子カルテが閲覧できなくなり、パソコンの画面に英語で「pay」と支払いを要求する言葉が表示されるなどした。業者に依頼して調べたところ、医療情報システムに不正アクセスされた痕跡があった。具体的な金額や支払い方法についての記載は確認されておらず、病院側も支払う意思はないとしている。

 同病院は、院外のシステムに保存していた予備のデータで紙のカルテを作成して診療に対応し、外来患者の待ち時間が長くなる影響が出ている。サーバーは月内にも復旧する見通しという。病院から相談を受けた府警が経緯を調べている。

 同病院は87床の総合病院で、1日約150人の外来患者がいる。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220502-OYT1T50149/