「海藻」は未開のフロンティア 世界で注目される「3つの理由」

海藻ビジネスが注目される意外なワケ
 四方を海に囲まれた日本列島に暮らす人にとって、海藻はなじみ深い存在だ。

微細藻類に比べて圧倒的になじみがある海藻だが、
微細藻類ビジネスに比べて新規性が乏しいと思われるようで、これまで不思議と注目を集めることは少なかった。

 だが、ここにきて状況は変わりつつある。世界的に海藻への関心が高まり、
海藻ベンチャーや企業の参入が相次ぎ、国内外で急速に注目を集めているのである。

 その第1の理由は、ブルーカーボンへの注目だ。
ブルーカーボンとは、国連環境計画(UNEP)が09年に発行した報告書『Blue Carbon』の中で初めて定義されたもので、海洋生物の作用により、
大気中から海洋中へ吸収される炭素のことを指す。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書(14年)によれば、
大気中に排出される炭素の約4割(38.6%)が海洋に吸収されている。
吸収源となっているのは、マングローブ林や塩基性湿地、
海草藻場(海草・海草が生い茂る場)などの沿岸海域の生態系、いわば「海の森」である。

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00643/00001/