高騰で“宝の山”に…ゴミ集積所でホームレスと業者が『アルミ缶争奪戦』持ち去られる市は最大3億円の損失

自動車や飲料の缶に使われるアルミニウムの価格は世界的な需要拡大により高騰していて、名古屋市内ではアルミ缶の“持ち去り”が横行しています。ビンや缶などのごみの集積所を取材すると、生活のために自転車でアルミ缶を集めるホームレスと、車で大量のアルミ缶を持ち去る業者の間で、争奪戦が起きていました。

名古屋市中区のペットボトルやビン、缶など再利用できるごみの集積所となっている資源ステーション。そこへ、ハンドルや荷台に大量の空き缶をぶら下げた自転車でやって来た男性に話を聞きました。

ホームレスの男性:
「仕事もないもんで、そのためちょっとやってる…」

ホームレスのこの男性は、アルミ缶を買取業者に持ち込み、生活のためにお金に換えています。

 2021年3月に1キロ約90円だったアルミ缶の価格は、2022年3月には約180円と、1年でほぼ2倍になりました。いま名古屋市中心部では、買い取り業者に持ち込むと1キロあたり170円で引き取ってくれるといいます。

背景にあるのは、世界最大の生産国・中国をはじめとした世界的な需要の高まりです。日本アルミニウム協会によると、車体の軽量化が求められる電気自動車の製造など、様々な分野でニーズが拡大。アルミの輸出国であるロシアによるウクライナへの侵攻で先行きも不透明なことから、価格は今後も上昇する可能性があるといいます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a80920d183567c0b2269f74aaed20f4438012d8c