障害がある人が生きがいを持って働く場として、農業が注目されている。多くの障害者を雇用してきた野菜農家、京丸園(浜松市)社長の鈴木厚志さん(57)は、「日本の農業を救うことができるのは、障害者だ」と言う。どういうことなのか。

鈴木さんは以前、「障害者に農業はできない」と思っていた。
求人に応募してくる障害者を鈴木さんは断り続けていた。「彼らは働けない、と思い込んでいた」

あるとき、その女性がやってきた。給料はいらないから京丸園で息子を働かせて欲しい、という。「農業は難しいと思いますよ」。正直にそう伝えると、女性は首を横に振って言った。

「お年寄りが重い肥料をトラックから降ろしていて大変そうだ。この子は力があるので、肥料をかつぐことができる。ここに置けと指示を受ければ、置くこともできる」。その言葉に、はっとした。
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