2022年05月16日NEW
https://friday.kodansha.co.jp/article/243599
4月に入って始まった春ドラマが、ほぼ全て瀕死状態だ。現在、ゴールデン帯で放送されているもので2ケタ視聴率をキープしているのは二宮和也(38)主演の『マイファミリー』(TBS系)のみ。とはいえこれも、高視聴率が見込める日曜21時枠ながら、かろうじて2ケタを保っている状態。決して好調と言えるレベルではない。
今期の春ドラマのラインナップは決して悪くはない。恋愛ものからミステリー、青春ものなどバラエティに富んでおり、役者もベテランから期待の若手まで幅広く起用。が、結果的にはどの試みも成功したとは言い難い。
一体春ドラマに何が起こっているのか? ドラマ事情に詳しい芸能関係者たちに取材をおこなってみたところ、2つの大きな理由が見えてきた。
1つは、ベテランまたは中堅俳優たちの勢いの陰りだ。
「今クールにおいて特徴的なのは、綾瀬はるか(37)や木村拓哉(49)など、これまで高視聴率俳優と言われていた人たちが軒並み苦戦していることです。キムタクは自身初の1ケタ視聴率を記録。柴咲コウ(40)と高橋一生(41)という大物ダブル主演の『インビジブル』(TBS系)に至っては、視聴率が6%台までダウンし、打ち切りの噂も出始めているほどです。
その原因を探っていくと、問題は俳優たちというよりストーリーのほうにあるよう。キムタクのドラマは、落ちぶれた元ボクシングチャンピオンが、高校の弱小ボクシング部を再生するという青春もの。『ドラゴン桜』(21年/TBS系)との既視感を指摘する声がありますが、『ドラゴン桜』ほどのパンチはないうえ、突然コミカル調に転じるなど軸もブレブレ。単純にストーリーがイマイチ過ぎて、脱落している人が多いようです。
また綾瀬はるかの『元彼の遺言状』(フジテレビ系)、柴咲&高橋の『インビジブル』は、どちらも犯人考察要素の入ったミステリーですが、『私でも犯人がすぐ分かる』、『天才犯罪者のわりには犯行が稚拙すぎる』など、ストーリーの薄さを指摘する声が多い。そのためベテランたちの重厚な演技だけが浮いてしまい、チグハグな印象を与えているようです」(テレビ誌編集者)