乙武洋匡さん、義足歩行で自己最長117メートル歩いた!「あきらめないって大事ですよね」 : スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20220516-OHT1T51206.html

2022年5月16日 20時42分スポーツ報知

作家の乙武洋匡さん(46)が16日、東京都新宿区の新国立競技場で義足を装着しての100メートル歩行に挑戦し、7分44秒、117メートルを歩き続けて、応援に集まった約200人からは盛大な拍手を浴びた。4年前から過酷なトレーニングを始め、これまでの自己最長66メートルを大きく上回る〝記録更新〟に、乙武さんは「テクノロジーと、チームの努力と、皆さんの支えで、不可能に思っていたことが可能になりました。あきらめないって…大事ですよね」と目を潤ませた。

先天性四肢欠損により幼少期から電動車椅子で生活してきた乙武さんは、2018年からSONY製のロボット義足で歩行を目指す「OTOTAKEPROJECT」をスタート。義足エンジニアの遠藤謙さんによる「生まれつき四肢のない乙武さんが義足でスタスタと歩く姿を見せることができれば多くの人を驚かせることができるのでは」との発想がきっかけ。義足の技術革新を願い、乙武さんも挑戦を決意した。

「歩くことをあきらめている人々に希望を届けたい」との思いでトレーニングを開始したが、40年以上も「L字型」に固まっていた股関節を伸ばすところからの訓練は気の遠くなるようなもので、理学療法士の内田直生さんによる指導でまず二足歩行が可能になるように肉体改造。義肢装具士の沖野敦郎さんによって製作された太ももの先に足首が来る“短足義足”から徐々に義足の長さを伸ばしていき、自宅マンションの非常階段をひたすら上る“階段トレ”などを日課にして、昨年9月に自己最長66メートルの義足歩行を達成。さらなる成果を東京五輪・パラリンピックで聖火ランナーとして披露するプランもあったが、新型コロナウィルスの影響で叶わず、今回の舞台で挑戦することになった。