漏水の影響で、愛知県は十七日、周辺の自動車関連企業など百三十一事業所への工業用水の供給ができなくなる可能性があると指摘している。ただ、事業所に工業用水を供給する安城浄水場(同県安城市)の配水池には残量があり、十八日午前の時点では、事業所への供給は続いている。

 東海農政局によると、堰の下部に何らかの原因で大きな穴が開いており、取水できない状態が続いている。穴をふさぐ修繕工事のめどは立っておらず、当面は周辺の工場の操業を止めないことを優先。工業用水に必要な量を川からポンプでくみ上げる措置を始めた。

 工業用水に必要な量は毎秒三立方メートル。十八日午前時点でポンプ二十五台を用意し、一・七二立方メートルを確保できるめどは立ったという。近くポンプを四十四台まで増やし、必要量確保を目指す。

 ただ、農業用水にはさらに毎秒五立方メートルが必要。田植えの時期だが、東海農政局は「農業用水は何日かは待ってもらう」と話した。

 この漏水で、西三河地方八市の農地で農業用水が使えない事態となっている。

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