『シン・ウルトラマン』を見て的中した不安
https://www.newsweekjapan.jp/furuya/2022/05/513-attack-on-titan-attack-on-titan.php
原作『ウルトラマン』の人類側組織としての主人公は当然「科特隊(科学特捜隊)」なのは言うまでもない。
 『シン・ウルトラマン』ではそれが「禍特対(禍威獣特設対策室専従班)」に置き換わっている。
 この「禍特対」の本部がどこにあるのか、本作ではその位置関係が最後まで明示されていない。
 防災庁の下部組織という設定であるが、では防災庁が何所にあるのか、永田町なのかそれ以外なのか。
 どの建物に入っているのか、また特別に別個の建築物を有するのかを説明する俯瞰カットがないので、「禍特対」のメンバーが何所から出動してどこに帰還するのかが不明瞭である。

これは映画演出上の重大な欠陥である。
 無論、原作『ウルトラマン』では「科特隊」は固有の巨大ビルを基地として有しており、隊員らが普段どこに居て、どこから出動し、どこへ帰還するのかが明瞭となっている。
 位置関係の俯瞰的説明は、映画的演出の基本である。