親子仲睦まじく 北上・オオハクチョウ 今年もひな誕生【岩手】
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 長年、一帯で観察し続けている日本野鳥の会北上支部の征矢和宣さん(75)=同市滑田=によると、16日にひな3羽のふ化を確認。翌日には母鳥が巣から起き上がり、さらにもう2羽のひなが出てきたという。合わせて5羽が誕生したとみられるが、18日朝には1羽が行方不明となった。

 昨年、同じ親鳥から同時期に生まれた4羽のうち2羽が無事に成長。飛べるようになり、今春には新堤一帯で越冬した他の渡り鳥と共に北方へと旅立つ可能性もあったが、そのまま親元に残った。親鳥は、このきょうだい2羽を近づかせないよう追い払って距離を置き、ひなの子育てに専念。戸惑った2羽が、ひなに突っ込むなどちょっかいを出す姿も目撃され、不明のひな1羽は「このきょうだいか何かにやられたのでは」(征矢さん)とみられる。

 一帯では数年前から卵が確認されたが、ふ化したのは昨年が初めて。オオハクチョウの産卵、ふ化、育児は本来、北方ロシアで行われるだけに越冬地となる国内での自然繁殖は珍しい。昨年は大勢の愛好者らが成長過程を観察し、18日も多くの愛好者らが親鳥2羽とひな4羽が並んで泳ぐほほ笑ましい姿を見守った。

 外敵に卵を取られず、昨年に続いてふ化したことに征矢さんは「2年連続はすごいことで、まさか5羽とは思わなかった。1羽は残念だが、残る4羽は事故なく育ってくれれば。皆さんも優しく見守っていてほしい」と話している。