サル痘 「報告増えるも 大きな広がりになる可能性低い」専門家

欧米を中心に患者が相次いで確認されている感染症「サル痘」についてWHO=世界保健機関は11か国からおよそ80人の患者の報告があったと明らかにしました。

専門家は今後、報告は増えるという見通しを示す一方、大きな広がりになる可能性は低いとして、冷静な対応が必要だとしています。

「サル痘」は主にアフリカでみられるウイルス性の感染症で、顔や体に特徴的な発疹が出たり発熱などの症状が出たりします。

5月に入りイギリスやアメリカなど欧米を中心に患者が相次いで確認され、WHOはこれまでに11か国からおよそ80人の患者の報告があったと明らかにしました。

また20日には新たにドイツやオランダでも患者が確認され、
WHOヨーロッパ地域事務局は「大勢の人が集まる催しやパーティーが開かれる夏を前に感染の拡大が懸念される」としたうえで、
確認されたほとんどの患者は軽症にとどまっているものの、幼児や妊婦などは重症化することがあるとして警戒を呼びかけています。

これについて感染症に詳しいジョンズ・ホプキンス大学健康安全センターのアメシュ・アダルジャ上席研究員は「アメリカやカナダでもさらに多くの患者が報告されるだろう」として
今後、報告が増えるという見通しを示しました。

一方で「新型コロナウイルスと同じように考えるのは誤りだ。感染を広げる力は弱く大きな広がりにはならないだろう」と述べ、冷静な対応が必要だと強調しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220521/k10013636721000.html