市場に出した方がもうかる…町恒例「タマネギ狩り」、開催途中で中止に

 不作によるタマネギの価格高騰のあおりを受け、千葉県白子町恒例の「タマネギ狩り」が、終了予定だった月末を待たずに中止となった。タマネギ狩りでの販売から、単価の高い市場出荷に切り替える農家が続出するなどしたためだという。

 JA長生によると、天候不良による北海道産の不作などで、タマネギ価格は昨秋から上昇。4月末には前年比3倍以上の10キロ4000円にまで高騰し、その後も例年より高い価格で推移している。

 こうした中で1日に始まったタマネギ狩りは、いずれの会場でも1200円で10キロを持ち帰ることができる低価格が売りに。土中からタマネギを引き抜く農業体験にもなり、大型連休中は多くの子ども連れでにぎわった。

 町出荷組合によると、今年のタマネギ狩りに協力し、畑を会場として提供したのは、1日の開始時点で31農家。だが、価格高騰で「市場に出した方がもうかる状況」(同組合)となり、タマネギ狩りを中止して市場出荷や直売所販売に転じる農家が相次いだ。

 町や農家に苦情も寄せられる事態となり、同組合は農家の意向を確認した上でタマネギ狩りを12日で中止とした。大矢忠一組合長は「楽しみにしていたお客さまには申し訳ないが、ご理解いただきたい」と話した。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220521-OYT1T50226/