上島竜兵さん突然の訃報 報道を見てつらい人の心の対処法

海原純子博士(医学)・心療内科医・産業医・昭和女子大学客員教授
5/11(水) 15:28

お笑いタレントでダチョウ倶楽部のメンバーの上島竜兵さんが
亡くなったことが分かりました。自殺とみられるとも報じられ
ショックを受けたという声を聞きます。最近は俳優の渡辺裕之さんが
なくなったこともあり、働き盛りで元気に活躍していると
思っていた方たちの突然の自殺ということで、実際に面識はなくても
テレビで活動を見て身近に感じていた方には衝撃になります。
身近に感じていた人の死に接した時、どのように心を保ち
癒すかについて考えます。

まず気をつけたい「ネガティブな同一化」
実際に面識がなくても身近に感じている人の自死の場合、気がかりなのが
「ネガティブな同一化」です。上島さんの訃報報道を見て自分も
ゆううつになったという方はこうしたネガティブな同一化に陥っている
リスクがあります。身近な方の死により、身体的不調をきたしたり、
自分も死にたくなったりすることが多くなることがあります。
これがネガティブな同一化です。

特に同じような年代の方にとって衝撃は大きく、コロナ禍の影響が
続いたなかで過ごしてきた方は「上島さんのように元気そうに
活躍している人が急に亡くなるということは、自分などは
うまくいくわけがない」というように感じてネガティブな
同一化を起こしてしまうリスクがあります。

どう対処すればいい?
まずは「言語化」をお勧めします。言葉にしてつらい気持ちや
悲しい思いを表現することが大事な癒しへの一歩になります。
「実際には知らないけれど身近に感じている人がなくなるとつらいね」と
いうように、つらさを表現することは大事です。同じ思いをしている方は
多いと思います。ただ「何かあったのか」「コロナ禍が影響したのか」など
憶測や詮索をすると、さらに気持ちが落ち込む原因にもなります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/umiharajunko/20220511-00295557