香川県産小麦「さぬきの夢」の収穫最盛期 外国産と価格逆転はチャンス? 生産者から不安の声も
香川県が「さぬきうどん」のために開発したオリジナル小麦「さぬきの夢」の収穫が最盛期を迎えています。
これまでさぬきの夢は輸入小麦よりも価格が高かったのですが、実は2021年から価格が逆転しています。
(記者リポート)
「善通寺市の麦畑です。きょうはからっと晴れていて、絶好の収穫日和だということです」
善通寺市の農事組合法人「アグリネット筆麦」の麦畑です。約18ヘクタールでさぬきの夢を栽培しています。
(アグリネット筆麦/瀬川正俊さん)
「粒自体は高品質の品物が取れていると思う」
さぬきの夢は2000年に香川県が開発したオリジナル品種で2009年に品種改良されたものが現在も使用されています。
うどんにした際にコシや風味のバランスが良いのが特徴です。
香川県で栽培されている小麦のほぼ全てが「さぬきの夢」で、約2200ヘクタールで作られています。
このさぬきの夢の価格はここ数年下落が続いていて、外国産の値上げにより2021年から逆転しています。
輸入小麦の4月の政府売渡価格は半年前と比べて17.3%値上がりし、1トン当たり7万2530円です。
一方、2022年度のさぬきの夢の価格は1トン当たり5万1846円で、輸入小麦よりも2万円ほど安くなっています。
ウクライナ情勢や円安などにより、さらに価格差が広がる可能性もあります。
(香川県 農業生産流通課/鬼木あさひさん)
「価格が逆転したということで、外国産麦から国産麦へ、ASW(オーストラリア産)からさぬきの夢への置き換えが期待できる」
香川県は菓子工業組合などとさぬきの夢の商品開発などで連携する協定を結んでいます。
輸入小麦とさぬきの夢の価格が逆転したことを前向きにとらえ、販路拡大に生かしたいとしています。
一方、生産者は価格が下がっているのに燃料代などは高騰していて苦しい状況だといいます。
(アグリネット筆麦/瀬川正俊さん)
「結果的に燃料や輸送費運賃に跳ね返ってくるから、値段は上がってほしい。収益として上がってくるように」
輸入小麦との価格の逆転現象をさぬきの夢の販路拡大のチャンスと捉える県と、不安を感じる生産者。
さぬきうどんを支える県産小麦の生産者は、ウクライナをはじめとした国際情勢に今後も大きな影響を受けそうです。
https://news.ksb.co.jp/article/14629580
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