「手作り」「国産」はNGワード! 勝間和代が原価を見抜くコツを教えます

 経済評論家の勝間和代さんが「AERA Money」で連載する「人生を幸せにするお金のレシピ」第4回。今回は「割高なものを買わないために原価を見抜くコツ」について。

 私たちが限られたお金を上手に使うためには、良質な製品やサービスを安価に購入する必要があります。その場合に私がおすすめしたいことをお教えしましょう……といっても単純なことです。

「目の前にあるサービスや製品の原価構造を見抜くことができるようにすること」が大切なのです。

 私が割高なものを買わないために気をつけている「NGキーワード」があります。2つあるのですが、これです。

・手作り

・国産

 みなさんは「手作り」「国産」という言葉にはいいイメージをお持ちではないでしょうか。どちらかというと、この2つのキーワードは多くの人にとって付加価値を示すものです。

「国産材料だけを使い、丁寧に手作りしています」などと書かれていると、ついつい「高品質なのだろう」と思うことでしょう。しかし、実態は逆ではないでしょうか。

 まず「手作り」というのは「量産していない」または「量産しづらい」ということです。非常に労働集約的に作られていることでしょう。そうすると当然ながら人件費がかさんでしまいます。手間暇の分、原価が高くなっています。

「手作り」の問題点はもう一つあります。製品の出来の“ばらつき”が大きくなるのです。

 たとえば目の前にパソコンやテレビがあって、「これ、手作りのパソコンです」と言われたら、あなたは買う気になりますか?

 私は残念ながら品質が不安定かもしれない……と考えて、買う気になれません。それがなぜか洋服や食べ物になると、急にみなさん、手作りに価値を感じてしまうのです。これは“手作りマジック”です。

「国産」も同じ考え方です。ついつい私たち日本人は身びいきをして、日本で作られたものを買いたくなるのですが、別の視点を持ちましょう。

 日本製ということは、すなわち「国際競争力がないのかもしれない」と疑ってみるべきです。輸入品のことを考えれば、これは理解できると思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bdb94b9f4e5effee0665a324b2a2aa6b4e4cc40e?page=1