エンゼルスの大谷翔平投手とブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手。昨季は終盤までし烈な本塁打王争いを繰り広げた両雄が一塁上で言葉を交わしたのは28日の試合の七回だった。

 ブルージェイズの剛腕リリーバー、メリーウェザーが投じた158キロ直球が右肘に装着した防具をかすめた。ひやりとした1球。本拠地がどよめいた。球審の死球判定に従い、一塁へ歩いた大谷はビデオ裁定を待つ間、23歳の若き主砲の左肩に右手を置いて言葉を発した。

 メジャー5年目。大谷は打席に入る前に敵軍ベンチの監督に目であいさつし、球審と捕手に声を掛けている。塁上で敵軍選手と会話をすることは全く珍しいことではない。ただ、いつもと違ったのはわざわざ自分から相手の肩に手を置く行為は記憶にない。

 シリーズ最終戦、29日の試合後のクラブハウスでゲレロが通訳を介して明かしてくれた会話の一部は秀逸だった。

 「彼は僕に向かってこう言いました。『いいかい、もうこれからはホームランを打たないでね』って」。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6566629a622eb8f4dfda711a326313d1fd71cae4