あかほりさとる「俺には代表作がない。」 [991882504]
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「俺には自分の作品が無い」
薄暗いタクシーの後部座席で男が放ったその言葉に、耳を疑った。
何も言えなくなった私を血走った両目で見ながら、男はもう一度こう言った。
「俺は代表作が無い。ロードスみたいなものは、ラノベじゃあ書けなかった。だから俺は歴史小説を書く。新しいジャンルで勝負する。だから、お前は……!」
肩が触れ合うほどの距離で何度そう言われても、自分の耳を信じることができなかった。代表作が無い? 何を言っているんだこの人は?
だってあなたは……あかほりさとるじゃないか。
あかほりは膨大な作品に携わってきた。
『NG騎士ラムネ&40』『セイバーマリオネット』『爆れつハンター』『MAZE☆爆熱時空』『天空戦記シュラト』『サクラ大戦』『らいむいろ戦奇譚』
『MOUSE』『かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~』……挙げればきりがないほどだ。
その同じ夜。
私はもう一人の男と並んで座りながら、再び耳を疑うような言葉を聞くことになる。
酒の飲めない私の横で静かにグラスを傾けながら、男はポツリと言った。
「僕が最後にできることは、ラノベ作家として死ぬことだ」
男の名は、水野良。
あかほりと同じように多くのヒット作を持つが、水野良という名前は常に、たった一つの作品と共に語られる。
『ロードス島戦記』。
それは水野のデビュー作であると同時に、ライトノベルと呼ばれるジャンルのデビュー作でもあった。
あかほりさとると、水野良。
私が2人に初めて会ったのは、4年近く前に遡る。
TRPGを筆頭としてボードゲーム全般に造詣が深い水野は、将棋も好きだった。そしてちょうど将棋ラノベがアニメ化したタイミングで、作者である私に声を掛けてくれたのだ。
その場には、あかほりと、そして2人の後輩に当たる鈴木大輔【※】もいた。
鈴木の将棋の腕前はアマ有段者であり、ラノベ作家の中でも『あの人は強い』と前々からその噂は聞いていたし、もちろん作品も全て読んでいた。
※鈴木大輔……『ご愁傷さま二ノ宮くん』『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』作者。
2軒目では将棋盤も登場し、水野と鈴木の対局を、あかほりと一緒に観戦するという、これまた贅沢な時間を過ごした。
子供の頃に熱狂した作品の作者と、憧れの先輩作家。同じラノベ作家だというのに、目の前で3人が繰り広げるやり取りはまるで別世界のことのように面白く、華やかで……私はただ、見ているだけで幸せだった。
この時までは。
冒頭に書いた『事件』が起こったのは、その直後だ。
3軒目へ移動するタクシーの中で、酔いの回ったあかほりが突然、人が変わったかのように「自分の作品が無い」と言い出したのは……。
そのまま、あかほりは1人でタクシーを降りた。
3軒目は静かなバーだった。
用事を済ますため鈴木がいったん席を外すと、カウンターには水野と私だけが残された。
あの水野良と酒場で並んで座る――初めてロードスを手に取った中学生の自分が聞けば絶対に信じないであろう、夢のような状況にもかかわらず……私の頭からは、あかほりの言葉が離れない。
タクシーには水野も乗っていた。
ロードスという圧倒的な作品への羨望と嫉妬を隠そうともしなかったあかほりの姿を、水野はどう受け止めたのか? 果たしてそれを聞いていいものなのか……。
逡巡を続ける私を、明け方近くになって水野の口から零れ落ちた言葉が、さらに深い闇へと突き落とした。
「ラノベ作家として死ぬ」
私は結局、何も聞くことができなかった。
あの忘れ得ぬ夜から4年。
とあるニュースによってラノベ作家という職業が世間から注目を浴びたのを機に、もう一度、2人の話を聞きたいと思った。
ラノベ作家という職業の、本当の姿を理解するには、あの日の2人の言葉の意味を聞かなければならないと思った。
https://originalnews.nico/371259 あかほりさとるの系譜からtsugeneko先生みたいな優等生も生まれてるし
完全に無かった事には出来ないけど
忘れていいクリエイターだとも思う 梶原一騎みたく >>335
トルーパーにギャグドラマCDあるのは知らなかった
これは完全に自分がニワカでした申し訳ない
最初にこれやり始めたのは何のアニメだろう… >>344
明確に最初ってのは不明だがよく言われてるのは、赤い光弾ジリオン・お洒落倶楽部
そこいらの一連のギャグドラマCDは大月俊倫が手掛けてる物が多いが、
これはトルーパーやシュラト放送前なので ライトノベルファンタジーの祖として水野良は良く名前が出てくるけど、
今のどうしようもない萌えアニメのベースを作った1人は確実にあかほり
…なんだけど、
戦犯としても功労者としても名前が挙がらないって意外なんだよな
あまりにも「当たり前に」なりすぎてしまったんだろうか 参考にした事さえ言うのが恥ずかしいからなあ
青春期に好きだった本がラブひなでしたってぐらい恥ずかしい ここには名前が出てこないが、ラノベを語るなら笹本祐一も忘れてはいけない
こっちは「自称現役最古のラノベ作家」だしw エロゲ版サクラ大戦が作りたいとらいむいろ戦奇譚作ったと聞いて
サクラ大戦とは関わってないんだろうなと勘違いしてたが関わってたのか 水野良の「かなん(大月悠祐子)にセクハラしなくて良かった」って発言もヤベエよなあw 星雲賞獲ってる凄い人なんだけど記憶から消してた
山本弘先生野郎程罪は犯してないんだけど何故か褒めたくないんだよなあ >>347
でもその恥ずかしいのが基本になってしまったからね
だから戦犯も戦犯なんだが、それすら名前が上がらないのは不憫だ
俺はここ20年絶えず戦犯呼ばわりしてたのになw >>352
そこまで行くともう愛と言っていいのでは? >>350
水野良×かなんと言えばギャラクシーエンジェルの2巻はいつ出るんだ? 水野はジャンルを作ったがあかほりは時代を作ったろ
90年代半ばのアニメを思い浮かべろって言われたらかなりの人数があかほりのどれかの作品を思い浮かべるだろ そう言えばスカパー見ててあかほりの再放送て殆ど無いな? >>355
浮かべないな
セラムンにもスレイヤーズにもガンダムWにもエバにもナデシコにも関わってないもん
スタチャて意味ではわかるけど >>318
サクラ大戦はもうあかほりならとにかくバカにしていい的なノリの時代に入ってたので
「サクラ大戦大好き!でもあかほり担当のシナリオパートは糞味噌に叩く!」という変なスタンスの奴が多かった
確かにストーリーはアレだがキャラもあかほりな以上は
お前の萌えてるキャラは結局あかほり作品じゃねえかとも思うのだが… 自虐風自慢だろう
この人が数多くのヒット作を生み出してるは有名だし
まあ歴史的名作は確かにないが 僕がこの人を一番卑しんだ瞬間はエヴァ狂騒期の時に庵野と一緒にインタビューして
「今までのアニメはオタクの顔色を伺ってたけど【俺達】のは違うよな!」
ってさりげに自分も同時代の業界人面してた事かな
いやヒゲメガネからするとお前も顔色ギョロギョロ見てる駆逐されるべき側だろうが、というか筆頭だろうがって
憤慨した
エヴァは嫌いだけど >>345
㌧
ジリオンか…予想外だった
もしかしてギャグドラマCDってバブルの産物でもあるのかな アベノ橋魔法商店街好きだったな
基本ガイナックスだからあかほりの作風そこまで強い訳じゃないけど あかほり:
それで今回はアレだろ? 水野良のせいで日本のエルフは巨乳になってDMMでバンバン犯されるとか、そういう話をするんだろ?
水野良と出渕裕先輩【※】のせいでさ(笑)。
ワロタ
やっぱロードスは偉大だわ 堀内賢雄と速水奨が架空アニメのキャスティングする企画で「このメンツならシナリオはあかほりだな」とか盛り上がってたのちょっとよかった テッカマンブレードもあかほり脚本多いんだよなぁ。たくさんありすぎて代表作が分からんってある意味贅沢だと思うんだが、売れるために書いた作品じゃなくて、素で書いた作品で名を残したかったのかなぁ。水野良は何やってもロードスが亡霊のようについて回ってそれはそれで苦しそうだが… >>216
日本でファンタジーが根付いたのってドラクエからだしなあ
水野も語ってるけどドラクエ世代以前の人間は幼少期にファンタジーに触れてないし大人になっていきなり剣と魔法とか言われてもハマれない分野だったと思うよ
ロードスがヒットしたのってドラクエプレイした子供がもうちょい大人のファンタジーに手を伸ばす時期に丁度マッチしたってのがあると思う セイバーマリオネットの新作の話あったけど頓挫したのか消えたね あかほりの天空戦記シュラトのノベライズと
久美沙織が書いたドラクエ4のノベライズがほぼ同時期に出た
両方とも今は亡きエニックス文庫からだった
あかほりは必死でシリアスで重い雰囲気にしようとしていたが
意図に文章も語彙も追いついてなかった
久美は毀誉褒貶あれどさすがに職業作家だけあって語彙量が根本から違っていた 宮崎駿と富野のどちらがプレゼンスのある監督かってのと似たようなもんだろう
宮崎駿は名作を残したが富野は時代の流れを作った サクラ大戦はシナリオが足引っ張ってるまであったな
1のサタンとミカエルとか
3のパリシィ()とか
演出とか全体的にシステムが丁寧に作られてるとか
制作現場の力がほとんどの作品 >>376
原案が広井王子
脚本とか小説があかほり 宇宙皇子もラノベに入るんだろうか
途中から新書になってた気するけど内容はまるで記憶にない エヴァとかブギ―ポップとかあの辺が流行って
あかほり的なものはどこまでもバカにしてよいという
今思うとそれはそれでクソダサな風潮があったのだが
人間自分がそんなクソダサ潮流に乗ってたって認めたくないから
当時叩いてた人間は「バカにしてたのは正当」ってせざるをえないし
まああかほりへの評価修正なんて難しいんだよ とんねるずに例えてる人がいたけど
とんねるずも湾岸戦争に対して「情けねぇ!」と歌って受けなくて
求められてないんだと社会性の無いピュアな笑いに特化したけど
あかほりもブレードで同じ事してんだよね
あかほりが戦犯と言った所で当時その選択をしたオタクが責任者
そしてオタクがニッチだったが故に大衆に責任転嫁も出来ない 「その時代においてトップグループに入るヒット」は何個も作ったけど、頭一つ抜けた
「時代を代表する作品」「流行の起点となる作品」「時代の転換点となる作品」は
作れなかったんだよな
だからなんとなく「あの頃めっちゃ売れてたよなあ」って作家ではあっても代表作が
浮かばない >>375
企画屋って意味だと富野じゃなくて押井かなぁ。富野はなんか雇われって感じがする。 水野良「俺、(1本しか)売れてない」
あかほり「俺も売れてない」
深沢美潮「私、全然売れなかったわ」
・・・なら誰なら売れたんだよつーの 爆れつハンターとか今だと良識派アニメに分類されそう >>386
赤川次郎
神坂一
小野不由美
これが時代の寵児な >>389
いうて神坂一もスレイヤーズ以外はスマッシュヒットしかないので水野良と同列じゃね
日帰りクエストとかDOORSとか面白いけど >>386
児童文学でもIQ探偵の大ヒット出した深沢美潮がダメなら
誰ならええねんって感じだな
てかあれも考えると一線にいた時間むちゃくちゃ長いなあの人 ラノベ界のグインサーガになるのかなって戦々恐々としてたよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています