神戸市灘区の六甲学院高剣道部の練習で高次脳機能障害を負ったとして、元部員の男性(32)が1日までに運営元の上智学院(東京都千代田区)に約1億7200万円の損害賠償を求め神戸地裁に提訴した。

訴状によると、男性は六甲学院中で剣道部に所属し、高校入学前の2006年4月に高校の剣道部の練習に参加。顧問の男性教諭と1対1の稽古で、教諭に下顎付近を竹刀で突き上げられ後頭部から床に落ちた。一般的に中学生の剣道では「突き」の技は禁止されており、防御方法を知らなかったとしている。

男性はその後、睡眠障害や倦怠(けんたい)感などに悩まされ、通学が困難になり留年。15年に高次脳機能障害と診断され、現在も就労は困難という。教諭の行為は危険で安全配慮義務に違反し、学校側は使用者として賠償責任を負うと主張している。

男性は学校での災害共済給付制度を運営する日本スポーツ振興センターに給付金の支払いを求め提訴。20年に大阪高裁で和解が成立し、1465万円が支払われた。(共同)

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