ロシアがウクライナ領土の2割占拠 侵攻から100日 日本なら関東・近畿・四国・九州と約3分の1の面積「国として“抹殺”されている」
ロシアによる国際法を無視したウクライナ侵攻開始から、3日で100日となった。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は前日、領土の20%がロシア軍に占拠されていることを明かした。この面積を、日本に当てはめると、何と全国土の約3分の1に相当する。わが国は、中国やロシアなど覇権主義の野望をのぞかせる核保有国に取り囲まれており、「抑止力の強化」は不可欠だ。
「ロシア軍は現時点で、ウクライナ領土の20%に当たる約12万5000平方キロを支配下に置いている」
ゼレンスキー氏は2日、ルクセンブルク議会向けのオンライン演説で、厳しい現状をこう明かした。
ウクライナの国土面積は約60万3700平方キロ。2014年にロシアが強制編入したクリミア半島や、ロシア軍の攻勢が続く東部ドンバス地域のルガンスク、ドネツク両州も含めているようだ。
「12万5000平方キロ」と言われるとピンと来ないが、日本の国土に当てはめて考えるとゾッとする。
1都6県の関東(約3万2430平方キロ)と、2府5県の近畿(約3万3120平方キロ)、4県の四国(約1万8800平方キロ)、7県の九州(約4万2220平方キロ)を合わせた面積(12万6570平方キロ)ぐらい占拠されていることになる。
ゼレンスキー氏は3月の英議会向けの演説で、「どんな犠牲を払っても自国を守るために決して降伏しない」と語り、国民とともに徹底抗戦を続けている。欧米諸国による兵器提供を受けた「6月の反転攻勢」が注目されるなか、他国による侵攻の現実をどう見るか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「日本に当てはめれば、すでに国として『抹殺』されているに等しい面積だ。日本でも、一旦占領されると原状回復が難しいことは北方領土が示している。現時点で、ウクライナに『停戦』『降伏』は感覚的にあり得ず、徹底抗戦しかない。日本人も遠い国の出来事ではなく、自国の領土に置きかえて常に考え、脅威を自覚する必要がある」と語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b6b5a8232837c8433495c6cef0cef08e3015d7e1