ステーキ値上げ必至か 中国に「買い負け」 輸入肉が高騰 観光客戻る“ステーキ県”に暗雲
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ステーキで好まれるロイン系(テンダーロイン・サーロインなど)の輸入牛肉の卸売価格が高止まりしている。農畜産業振興機構によると、4月の1キロ当たりの国内卸売価格相場は、米国産が前年同月比43%増の4890円、豪州産は同24%増の4248円に上昇。それに伴い、観光需要が戻りつつある沖縄県内ステーキ店のほか、地元客相手の飲食小売店などでも「価格転嫁するしかない」と今後の動向に懸念を隠さない。(政経部・國吉匠)


■人気のロイン系

農林水産省によると、国内の牛肉輸入国は米国と豪州で8割強を占める。県内の場合、ステーキ店などはほとんどが輸入肉だ。

一方で米国ではコロナ後の経済回復により需要に供給が追いついておらず輸出が減っていることや、需要が急増する中国に国際市場で「買い負ける」現象も起きており、高止まりが続く。特にロイン系は希少部位のため、今も右肩上がりだ。

食肉卸のイバノ(浦添市)では21年の10〜12月と比べて仕入れ価格が1・5倍になっているという。円安も相まって、今年の8月までは値上げのピークになり、その後も高止まりが続くと見通した。

同社の長岡司常務は「直営店では卸売価格に応じて値上げせざるを得ず、ステーキ1枚の値段が3千円を超えるかもしれない」と嘆いた。

■価格転嫁するしか…

鉄板焼きステーキを営むキャプテンズイン(うるま市)は6月から、スープ、島豆腐の鉄板焼きなど、9品が食べられるテンダーロインステーキ200グラムのコースを2600円から3300円に引き上げた。

同社の高江洲義司代表は「牛肉だけではなく、野菜なども上がっている。コース料理がメインなので転嫁せざるを得ない厳しい状況にある」と、客足への影響を懸念した。

小売業のタウンプラザかねひでも現在の100グラム当たりの輸入牛肉価格は昨年6月と比べ46%増の378円。

担当者は「パック当たりのグラム数を下げ手に取りやすい価格を維持するなどの工夫が必要だ」と顔を曇らせる。牛肉の高値がいつまで続くか、先は見通せないと話していた。