安倍元首相は4日、京都市内で講演し、積極財政などを打ち出した安倍政権時代の経済政策「アベノミクス」の成果を強調し、国の借金が1000兆円を超えても「心配しないでほしい」と述べた。

政府が7日の閣議決定を目指す「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針」をめぐり、自民党内では、財政再建派と積極財政派の間で、「アベノミクス」の評価が争点になっていた。

安倍元首相は講演で、2012年の政権発足当時を振り返り、「デフレ不況に落ち込んだ状況を変える方法として、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略のアベノミクスを行った」と述べた。

そして、「まずは大胆な金融政策。黒田総裁が来て日本銀行も頑張ってくれた。比ゆ的に言えば、頑張って輪転機をまわした。20円で1万円札が刷れる。その結果、完全デフレ脱却ではないが、デフレからインフレに変えることができた」と述べた。

さらに、将来税金で返済する必要のある国の借金、長期債務残高が1000兆円を超えていることについて、「確かに政府は1000兆円の借金があるが、半分は(国債として)日銀に買って持ってもらっている。政府は日本銀行の株の55%を持っている。だから、私は(日銀は政府の)子会社みたいなものだと言った」と述べた。

そして、「日本の国債は十分な信用があるから、心配しないでほしい」と強調した。

https://www.fnn.jp/articles/-/370072