明治の冷凍ピザ生産終了へ 46年の歴史に幕、グラタンなど“オンザトレー”に資源集中

明治は2022年度いっぱいで冷凍ピザの生産を終了する。現行の生産ラインは操業から30年以上が経過し老朽化が進む一方で、同社冷凍ピザの売上は減少傾向が長年続くため、設備の更新を断念した。

「明治レンジピッツァ&ピッツァ2枚入」は冷凍ピザ市場でシェアトップの商品であるため、市場への影響に配慮して段階的に販売を終了する。2022年9月から販売地域を東名阪エリアに縮小し、2023年2月末に全国での販売を終了する。今後は、伸びているグラタンなどの“オンザトレー”商品群に経営資源を集中させる方針だ。

卸店や量販店には、「弊社茨城工場冷凍ピザラインの生産終了に伴う『明治レンジピッツァ&ピッツァ2枚入』販売地域変更と販売終了のご案内」として、6月13日から案内を進めている。

明治では茨城工場を立ち上げた1976年当初から「ピッツァ&ピッツァ」(当時はオーブントースター調理)の製造を開始した。グラタンと並ぶ歴史のある商品だ。今回の自社生産の終了に伴う外部委託による生産を行う考えはない。同社の冷凍ピザ事業は46年で、その歴史に幕を下ろすことになる。

明治の冷食事業において「レンジピッツァ&ピッツァ2枚入」は3個入りグラタンなどに次ぐ2~3番手の主力商品であることから、売上への影響も小さくない。ただ、茨城工場にはオンザトレー商品の新ラインを2019年秋に導入しており、従来のピザラインの人員を配置することで、オンザトレー商品の生産を強化できると見込む。

再投資を断念した背景には、ピザ市場の変化もある。量販店のデリカでは手作り感のある商品が浸透し、冷凍ピザにも手の込んだトッピングを行った付加価値商品が増えている。チルドピザとの競合に加えて、急速な市場環境の変化により、同社の間食で利用されているスナック系の冷凍ピザは競争優位性が低下している。

冷凍ピザ市場が長期的な販売低迷に陥り、明治でも収益悪化が進行していたため、冷凍ピザの再興を目指した取り組みも実施してきた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9dd8a7b3deb4e4b7bffbd1f3e61d5b9a7e6cc0a3