「地獄と幽霊展」に反対の声「呪う気か」 台南市長「文化的視点で見て」/台湾

(台南中央社)南部・台南市美術館で25日から始まる「アジアの地獄と幽霊展」。開催前から話題を集めた一方で「呪う気か」「気分が悪くなる」などの声も上がったという。
黄偉哲(こういてつ)市長は22日、文化的な視点で展示を楽しんでほしいとの考えを示した。

フランス・パリのケ・ブランリ美術館との共催で行われる特別展。アジアにおける「未知の世界に対する恐怖と想像」を紹介するという趣旨で、台湾での開催に当たり仏教や道教など宗教の影響、日本統治時代に形成された文化などの紹介も盛り込まれた。

同館のフェイスブックページに今月中旬、展示のPRとして妖怪「キョンシー(殭屍)」の写真が投稿されたところ大きな反響があり、公式サイトが一時アクセスしにくくなる事態にまでなった。
だが、一部からは「不快だ」などとして中止を求める意見が寄せられたという。

同館を22日に視察した黄市長は、同展を巡り議論が起こっていることについて、亡霊や妖怪については人それぞれ考えが異なると言及。
同展では文化的な視点から理解を深めることができる他、人間性という面でも考えられるものがあるとし、台南には寺廟が多いことにも触れ、リラックスした気持ちで見てもらえればと話した。

▽土曜夜には「お守り」を限定配布

同館は22日、フェイスブックページで展示について改めて案内し、観賞には魔よけの効果があるとされる「モモの木の剣」やもち米の持参が必要だと呼び掛けているネットユーザーがいると指摘。
展示エリアへの危険物や飲食物の持ち込みは禁止していると説明した。

フェイスブックページ担当者は、モモの木の剣やもち米は持ち込めないとしつつ、同展開催期間中の毎週土曜午後6時~同9時には市内にある道教の寺「天壇天公廟」のお守りを入場者に配布すると発表。限定1000個だという。同展は10月16日まで。
https://japan.focustaiwan.tw/culture/202206230009