みるみるうちに、まな板の上にタコの切り身の山ができた。北海道南西部の寿都町にある水産加工場。中国人の技能実習生2人が慣れた手つきで、唐揚げ用に包丁でさばいていった。

40歳代の女性2人は3年前、いずれも大学生の子どもを残し来日した。実習を終え、10月に帰国する。息子や娘の学費のために「お金を稼ぎたい」という2人はこう話した。「子どもに会えるのが楽しみ」

2人が働く「マルトシ吉野商店」の吉野寿彦社長(62)は「彼女たちがいなければ仕事はまったく回らない」という。一時は従業員の半数近い4人の実習生がいた。コロナ禍の昨春に2人が帰国。代わりの実習生は入国できず、人手不足は深刻化した。

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