車両内にサラダ油まき、ライターで着火はかる…小田急乗客10人刺傷の男
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小田急線の車内で乗客10人が刃物で切られるなどして重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳の対馬悠介容疑者(36)(川崎市多摩区西生田)が、車両内にサラダ油をまき、ライターで火をつけていたことが警視庁幹部への取材でわかった。燃え広がらなかったが、警視庁は無差別殺傷を狙った疑いがあるとみている。

負傷者とみられる人を搬送する救急隊員ら(6日夜、東京都世田谷区の小田急線祖師ヶ谷大蔵駅で)=池谷美帆撮影

 警視庁幹部や乗客らによると、対馬容疑者は小田急線登戸駅(川崎市多摩区)で、藤沢発新宿行き上り快速急行電車(10両編成)の6号車に乗車。まもなくして前方の7号車に移動すると、電車が成城学園前駅の付近を通過する頃、突然、座っていた女子大学生(20)に包丁で切りかかったという。

 7号車内でさらに包丁を振り回し、周囲の乗客4人ほどに傷を負わせた。その後、前方の8号車に移動すると、持っていたサラダ油を床にまき、ライターで火をつけたが、燃え広がることはなかった。

 「悲鳴が聞こえ、車内を見渡すと、包丁を振り回している男が見えた。大勢が車内を走って逃げていた」。帰宅途中、車内に居合わせた埼玉県川口市の会社員男性(33)は声を震わせた。