「はしっこ系」だけど応援団員だった「彼」が、暑い日も寒い日も、学ランを着て声を張り上げている姿を覚えている。
そして、将来の夢のことも。高校時代のクラスメートは、事件とのギャップを埋められずにいる。

同じクラスになったのは高校2年の時だった。彼はクラスの中で群を抜いて素朴。「机の上に手を重ね、あごをのせて、よくポケーッとしていました」

好んで一人でいるように感じたが、声をかけると、うれしそうに笑顔を見せてくれた。

クラスで何か決めるときも、「ニコッとして『うぃーっす』などと言って、何でも受け入れるタイプだった」。いつも謙虚で、他人の希望を優先していた。

部活は応援団。「古風なスタイルで、一年中、日が暮れるまで発声練習をしたり、腹筋を鍛えたりしていた」と振り返る。

強豪として知られる硬式野球部が春の選抜大会に出場したときには、阪神甲子園球場のスタンドで一生懸命声を出す姿を見た。

そんな彼が逮捕された。