当時、こぞってテレビなどで取り上げられ、話題になりました。その一方で、先祖の悪因縁があるなどといって、壺などを売りつける霊感商法などの旧統一教会の資金集めの活動も報道されます。
「この団体が大嫌いです」
その頃、旧統一教会へ批判的な報道をする一人に、テレビ番組のニュースキャスターをつとめていた筑紫哲也さんがいました。
「私はこの団体が大嫌いです」
当時信者として、番組で発言されたこの言葉を覚えています。
連日の旧統一教会の霊感商法問題などを報道をするこの局に対して、筆者の所属する部署の責任者から次のような指示がありました。
「テレビ局に、クレーム、文句の電話をかけろ!」です。
責任者が見守るなか、私たち信者らは一般人のフリをして「こんな偏向報道はやめろ」「個人的な感情をぶつけるな!」「嘘ばかりの報道で、真実を伝えていない」などと電話をかけ続けて、組織的な攻撃を仕掛けました。
今、振り返れば申し訳ないのですが、当時の責任者の言葉は、神様の言葉ですので、従わなければなりません。筑紫さんら批判するマスコミらの発言を、サタンの側の人間とみて行動していたのです。
当時、報道各社には、かなりの数のクレームや文句の電話がかかってきたのではないでしょうか。
このように旧統一教会は、相手をサタン(悪魔)の側とみて敵対視すると、組織的な攻撃を仕掛けてくることがありました。元信者やその家族らは、こうした現実を知っていますので、教団への批判に対してどうしても及び腰になってしまうのです。

「旧統一教会が批判され迷惑をかけ申し訳ない」の言葉に驚かれた方へ もっと被害の声をあげられる社会に(多田文明)
https://news.yahoo.co.jp/byline/tadafumiaki/20220724-00306999