![](http://img.5ch.net/ico/anime_morara06.gif)
コロナ特例貸付利用後の自己破産8倍に 21年度、返済できず困窮
新型コロナウイルス禍の影響で減収した人を対象とする国の特例貸付制度を利用し、生計を立て直せずに自己破産するケースが急増している。埼玉県への取材で判明した。2021年度は321件あり、20年度(39件)から8倍に増えた。22年度は6月までの3カ月間で110件で、年度末に約400件に達する見込みという。【岡礼子】
特例貸付は、一時的な生活資金にあてる緊急小口資金(20万円以内)と、生活の立て直しにあてる総合支援資金(3カ月分、1カ月20万円以内)の2種類。県社会福祉協議会が国の補助金を使って貸し付ける。23年1月以降、返済が始まる。
県社会福祉課によると、22年5月現在、累計8万4261世帯が緊急小口資金を、6万6015世帯が総合支援資金を利用。総合支援資金は延長や再借り入れが可能で、利用者は合計延べ22万551世帯に上る。
自己破産だけでなく、弁護士に依頼して債務整理を始める特例貸付の利用者も増えている。21年度に467件で、20年度の297件から1・5倍増。22年度は6月までの3カ月間で207件に上り、年度末には約800件に及ぶ可能性がある。債務整理を開始した人の多くは自己破産に至る。
自己破産者や生活保護の受給世帯などは特例貸付の返済を免除される。6月20日現在で免除の申請は2万3052件で、全体の15%にとどまる。
特例貸付を巡る状況について、県社会福祉課が、県と埼玉弁護士会などで作る多重債務対策協議会で報告した。協議会メンバーで、貧困問題に取り組む猪股正弁護士は「コロナ禍の収束が見えない中、貸し付けて、返済できないところに生活困窮者を追い込むのではなく、給付金を支給して支えるべき」と話す。
特例貸付の返済期間の開始前から自己破産が増えている点に関して、社会福祉協議会の関係者は「国は返済できるかどうかを問わないとしており、問題だと考えている」と指摘する。制度設計自体を問題視する見方があがる。
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20220729k0000m040027000c.html