カラコルム山脈にある標高8611メートルの山K2。パキスタンと中国ウイグル自治区との国境に位置するこの山は、エベレストに次ぐ世界第2位の高さを誇る。そして今、登山家たちのあいだで「エベレストよりも難易度が高い」といわれるこの山で撮影された「大渋滞」の様子が話題を呼んでいる。

登山家のミグマ・Gが7月22日に公開した動画には、30人ほどが一列に並んで登り、前にいる者が移動するまで身動きが取れない登山者たちの姿が映されていた。

スペイン「バングアルディア」紙によれば、そこはもっとも複雑なことで知られる危険な地帯だ。ウェブサイト「エベレスト・トゥデイ」によれば、「標高8200メートル以上、酸素濃度が通常の3分の1、そして多くの人がそこから滑落していることを知りながら、巨大な氷の崖の下で数時間を過ごすことになる」という。

世界の山々でこうした様子が見られるのは、今に始まったことではないとバングアルディアは指摘する。

近年はとくにエベレストで過密状態が続いており、登山家たちが、たとえアクセスが悪くてもK2に移ってきているようだ。K2では1日に145回もの登頂達成が記録されているという。

スペイン「ABC」紙も「K2が観光の目玉になりつつある」とし、地元企業だけでなくネパールの代理店や欧米のガイドが活躍しており、エベレストのビジネスモデルを根本的に変えていると報じている。


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