当時、足利市議だった私は、現職市長の急逝後の市長選に立候補しましたが、選挙戦は怪文書が全戸に配布されるほど荒れたものとなりました。

そんな激しい選挙でしたが、統一教会にとって「反・統一教会」を公言する私が市長に当選することを阻止したかったのでしょう。

選挙戦の最中、統一教会の関係者によって、私は「統一教会信者」というレッテルを貼られてしまったのです。

選挙で最も大事な終盤になって統一教会系の「真の家庭運動推進栃木協議会 両毛支部」という団体の支部長が、私を名指しした上で「15年前頃に(大学生時代)統一教会の会員として活発な活動をされておられました」とネット上に書き込み、それが有権者に広がりました。

当時、統一教会への不信感は社会に根強く、「統一教会の会員」と名指しされた私は、この選挙で完敗しました。

ところが、私が落選すると一転、その支部長が私に謝罪の意を示し、次のような謝罪広告を自発的に新聞各紙に掲載したのです。

〈私は、大豆生田実氏に対して左記のとおり謝罪します〉

〈私は、平成十三年五月十二日にインターネット上において、大豆生田氏が統一教会の会員として活動したことがあった旨を、統一教会関係者の当事者として摘示しました。
 しかし、その後に慎重に調査した結果、かかる事実は全く無いことが判明しましたので、ここに正式に訂正いたします〉

〈この度のことにより、大豆生田氏の政治的信用が傷つかないことを願います〉

統一教会は選挙となれば手段を択ばない―。

敵対する候補のダメージとなるならば、自虐的なニセ情報を流すこともいとわないのか、当時、私はそう感じました。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/97951?page=2