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デリケートな痔の悩み解決します 肛門科開設200年、独自手術で痛みや再発とお別れを

痔(ぢ)や便秘、下痢など誰にも相談しづらいお尻のトラブルに困っていませんか。江戸時代から300年以上続く歴史があり、年間約600件の手術を手がける全国でも有数の肛門疾患の専門病院が兵庫県姫路市南八代町にある「木村病院」です。アットホームな雰囲気で、同じ悩みを抱える入院患者さん同士が『おしり合い』になって退院していくとの評判を聞きつけ、最近お腹を下す日が多い男性記者(33)がお邪魔してきました。(井上 駿)

 初代が1687年に志方村(現在の兵庫県加古川市)で医業を開き、5代目が、全身麻酔を世界で初めて成功させたとされる外科医の華岡青洲に学んで1808年に肛門科を開設した。1958年に現在の場所に移転し、2013年に11代目の木村泰之さん(48)が院長に就任。専門医2人のほか、看護師ら計約50人のスタッフが勤務し、県内外から患者が訪れるという。

 3人に1人が悩みを抱えているとされ、国民病の一つにも数えられる「痔」。三大疾患は、「いぼ痔(痔核)」「切れ痔(裂肛(れっこう))」「痔ろう(あな痔)」で、いずれも再発が多いのが特徴という。

 初診では、まず診察台に寝転がり、肛門鏡を使って患部の画像をモニターに映し出し、専門医が丁寧に患部の状態を説明する。女性看護師は「最初はみんな不安で恥ずかしがるものです。声かけをして、リラックスしてもらうことを心がけています」と話している。

 進行したいぼ痔は、痔核の組織を的確に切除しないと再発のリスクが高まるという。手術では痔核に注射をする「アルタ療法」と、超音波メスによる患部の切除を組み合わせるが、木村院長は約6千件の手術経験から、表面の粘膜を残しつつ患部を切除して体の負担を減らす独自の手法を編み出している。

 手術を受けた場合、約2週間の入院が必要で院内にはリハビリ室もある。


 木村院長は「新型コロナウイルス禍で家にこもりがちになり、運動不足が重なって症状を悪化させる人が増えている」と分析。「痛みがなく、再発しない手術を目指します」としている。