アメリカのナンシー・ペロシ下院議長らがアジア歴訪の中で台湾を訪れることになり、中国が強く反発しています。この緊張状態の中、台湾に本拠を置く世界的チップメーカー・TSMCの劉徳音会長が、「もし中国による台湾侵攻が起きた場合、TSMCの工場は停止し、台湾だけではなく中国にも経済的な混乱が生じることになる」と警告を発しています。

TSMCの製造設備はアメリカやヨーロッパ、日本など外部とのリアルタイム接続に依存しているため、仮に中国による台湾侵攻が起きた場合、操業停止は免れません。その上で劉会長は「誰もTSMCを力ずくでコントロールすることはできません」と述べています。

TSMCのビジネスのうち10%は中国でのものであることから、劉会長は「彼ら(中国のユーザー)が我々を必要としているというのは、悪いことではありません」と語り、サプライチェーンへの影響は台湾のみならず中国にも混乱をもたらすものであることから、行動を起こす前にはよく考えて欲しいと警告。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻の教訓を生かすべきだとして、「世界経済のエンジンを動かし続けるために、戦争を回避する方法を考えなければなりません」と訴えました。

https://gigazine.net/news/20220802-tsmc-mark-liu-warned-taiwan-strait-conflict/