貧しい暮らしのなかに根深く共有されている習慣や文化や価値観こそが、そこで暮らす子供たちが得られる教育の質的・量的な乏しさをつくりだしている。国や自治体から「子育て世帯の(教育費)支援」の名目で多少のお金が入っても、それでは「貧しさをもたらす慣習や文化」そのものを変えることはできない。

 しかしながら「貧しさはカネがないことと同じかそれ以上に、貧困層に共有される慣習や文化こそが原因だ」――と述べることは、現代社会では差別主義者として非難されるリスクをともなう。そのため「教育格差」の問題の核心部を理解している人も、自身の社会生活を危うくしかねない不名誉なレッテルが貼られるのを恐れて「各家庭の経済格差や貧困をなんとかしなければいけませんね」とお茶を濁す。
https://news.yahoo.co.jp/articles/38f0c4b8f71f22e0d4ad768ce132da6fd2241639