ウクライナ軍の戦い方が、市民を巻き添えにしかねないとの調査報告書を公表した国際人権団体が7日、一転してウクライナに「深い遺憾の意」を表明した。ロシアから侵攻を受けている事情をくんでいないとして、ウクライナのゼレンスキー大統領らが猛反発していた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4日、現地での調査に基づき、ウクライナ軍が居住地域に軍事作戦の拠点を置いている、と指摘。学校や病院も含まれていたとして、「民間人を危険にさらしており、国際人道法違反だ」と批判した。

ゼレンスキー氏は、「加害者(ロシア)ではなく、被害者(ウクライナ)に責任を転嫁しようとしている」と猛反発。同団体のウクライナ代表も、「この調査はロシアのプロパガンダの道具になっている」と抗議して辞任する事態に発展した。

同団体は7日、ロイター通信にあてたメールで、報告書がウクライナ側に「苦しみと怒り」をもたらしたと表明。「我々が訪れた19の街や村で、ウクライナ軍は民間居住地の隣にいたのを確認した。だが、ウクライナ軍が他の地域で十分な措置をとっていないと主張しているわけではない」と釈明し、「我々の報告書は決してロシアによる(人道法)違反行為を正当化するものではない」とした。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ880PSXQ87UHBI023.html?iref=sp_new_news_list_n