青森県内で記録的大雨 リンゴ園は水没し生産者絶句 一夜明け住民が片付けに追われる(ABA青森朝日放送)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1441503e07a9a0024ddf3ef9d80f5a6f32cdd558

「ゴーゴー」と音を立てて流れる午前9時前の鰺ケ沢町の中村川。流れる水は茶色く濁っています。

こちらはJR五能線の鉄橋。それを支える橋げたには、上流から流れてきた樹木などがたまっています。

【工藤記者リポート】
「鰺ケ沢町を流れる中村川です。現在も雨が降っていて濁流が流れています。その濁流の影響でしょうか、線路が下がってしまっています」

床上・床下合わせて、およそ600世帯が浸水した鰺ケ沢町。傘をさして川の様子を見つめる男性。9日は午後から避難し、10日朝、避難先から戻ってきたばかりです。

【男性】
「今様子を見に来たんだ」
「普段は浅い。流れはあまり強くない」
「昨日(9日)より結構(水位が)下がった。ここから(避難先に)行く時は赤い線より上がっていた。ギリギリだった、鉄橋の下」

町内にあるドラッグストア前の道路では、道路にたまった泥を作業員とショベルカーが取り除いていました。ドラッグストアの店内も泥まみれ。従業員が掃除に追われていました。

停電の影響でしょうか、町内の交差点では信号機は消えています。

【工藤記者リポート】
「一夜明けて、住民の皆さんが泥のかき出し作業を行っています。住民の方によりますと、昨日はこの高さまで水が上がっていたということです」

こちらの歯科医院では、関係者ががれきを片付けたり、ブラシなどを使って泥水をかき出したりする作業に追われていました。

町内のショッピングセンターもこの状態。店内に泥水が流れ込んでいます。衣料品売り場の商品は、ぬれていなくても臭いなどがついているため、全部廃棄するそうです。

【ショッピングセンターパル 市前孝志事務局長】
「衣類は全部捨てなければならない。保険適用になるかどうかは確認をしていないけど、廃棄だそうです」

食料品売り場でも、冷凍庫や冷蔵庫の冷却機能が停止していた時間があったため、生鮮食品は廃棄する予定です。

一方、岩木川の河川敷では、ゴルフ場が見えるくらい水がひきましたが、流れ着いた樹木などが残ったままで、浸水したことを物語っています。

3日にも浸水被害を受けた、弘前市大川地区のリンゴ園。9日午前8時半ごろは木の幹に雨水がたまるくらいでしたが、9日午後6時には・・・。

【西田記者リポート】
「この濁った水が流れるのは、川ではなくて一面に広がるリンゴ園です。今月(8月)3日の大雨で2m以上浸かりました。今は3m以上あるリンゴの木が、上の方しか見えない状態になっています」

畑は、前回よりも水位が高く、8日まで復旧作業をしたにもかかわらず、この状況。生産者は絶句していました。

【リンゴ生産者】
「私ここで小さいころから育ってきて、親の(リンゴ畑作業の)手伝いをしてきたんだけども」
「(3日の大雨から)1週間おいてこう(大雨が)来るんだったら生産者も・・・」
「リンゴは全滅ですね。全滅・・・うん」
「これ無事に来年(2023年)復活したとしても、来年またまいねっすよ。枝に泥付いてるその泥が枝をつたって、皆つるごとたまるんですよ」
「分からないね、どう皆頑張れるかうん・・・」

一夜明け、岩木川の水位は大きく下がりましたが、リンゴ園の水位は、数十センチ下がった程度。依然、リンゴの木は浸かった状態です。

【西田記者リポート】
「弘前市鬼沢の通称やまなみロードと呼ばれる市道です。こちらではおよそ20mに渡り、電柱とガードレールごと道路が崩落しています」

弘前市は、道路崩落現場を通行止めにし、車の行き来をさせないようにしています。道路下の土は時折、崩れているのが見られ、さらに道路が崩れ落ちる可能性があります。

弘前市によりますと、大雨による崩落や陥没、それに土砂崩れが起きた道路は19カ所あります。処理が終わり復旧した道路もありますが、依然、通行止めになっている箇所もあります。