「ザポリージャ原発周辺に非武装地帯を」国連事務総長が要望、ロシアは拒否
2022/08/13 01:11
【ニューヨーク=寺口亮一、リビウ(ウクライナ西部)=工藤彩香】ロシア軍が占拠しているウクライナ南部のザポリージャ原発に砲撃が相次いでいることを受け、国連のアントニオ・グテレス事務総長は11日の声明で、安全確保のため原発周辺に非武装地帯を設定するよう求めたが、ロシアは拒否した。
グテレス氏は軍事活動の即時停止も求めたが、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は記者団に、原発への砲撃が、「挑発行為やテロ攻撃である可能性を排除できない。我々が保護しなければならない」と述べ、露軍部隊の駐留を続ける考えを示した。
11日にはロシアの要請で、国連安全保障理事会が緊急会合を開いた。オンラインで出席した国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、今月5日の砲撃で配電盤が損傷し、原子炉1基が運転を停止したと明らかにした。
IAEAの専門家は、原発の安全性を直ちに脅かす損傷はないと分析しているというが、グロッシ氏は「原発を取り巻く状況は急速に悪化している」と警告した。IAEAは現地調査のため専門家派遣を求めており、ロシアとウクライナの双方が受け入れる用意を表明しているが、実現するかどうかは不透明だ。
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https://www.yomiuri.co.jp/world/20220812-OYT1T50187/