1球ごとに打席を入れ替えるスイッチヒッターとして佐賀大会で注目を集めた有田工の山口洸生(3年)。甲子園初戦となった浜田戦でも第2打席の途中で右から左、左から右と打席を移し、自分のスタイルを貫いた。

 だが、第3打席以降は相手投手が右腕に代わったにも関わらず、右打席から移動することなく打ち終えた。

 試合後、山口は「最初は1球ごとに打席を代えて、四球とかで出塁しようと思ったんですけど、審判さんたちから“1球ごとはやめてくれ、ここの場面では見せるところじゃない”と言われたので」と“禁止”されたという。

 ただ、公認野球規則では「投手が投手板に触れて捕手からのサインを見ているとき、打者が一方から他方のバッターボックスに移った場合、打者をアウトとする」としているが、1球ごとに打席を変えること自体は問題のない行為。
なぜ“禁止”としたのか?大会審判副委員長の窪田哲之・日本高野連審判規則委員長が取材に文書で回答した。

 「試合前に有田工の監督と責任教師に対し、もしも、打席を入れ替えることで投手を惑わし、四球だけを狙う意図がうかがえたら、フェアプレーの精神に反するので球審が注意することがある、と説明しました」と事前に有田工側に伝えていたという。

 その上で「実際に山口洸生選手が入れ替えを行った打席では、投手のサイン交換がはじまってからのタイミングでの入れ替えについてはルール違反になるので球審が注意をしましたが、
打席に立ってからは投手を惑わせる意図はうかがえなかったので入れ替えを認めました」と説明した。

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