超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は15日、議連としての靖国神社参拝を見送った。40年以上の議連の歴史で、終戦の日に参拝しなかったのは極めて異例。議連は新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、代表して参拝する予定だった副会長の逢沢一郎衆院議員(自民党)が新型コロナに感染したためとしている。ただ、議連が終戦の日に参拝を見送ったことで、その存在意義が問われそうだ。

新型コロナの感染拡大以降、議連は8月15日や春季、秋季の例大祭時の一斉参拝を見送ってきたが、昨年12月に約2年2カ月ぶりに再開。今年4月の春季例大祭には約100人で参拝した。ただ、15日については新型コロナ「第7波」が収束しないため、一斉参拝は中止し、逢沢氏が代表して参拝するとしていた。

ところが、議連関係者によると、逢沢氏が新型コロナに感染。15日の外出許可が下りないとの連絡が14日夜になって入ったという。議連には与野党約230人が名を連ねているが、結局、代役も立てられず、参拝断念に追い込まれた。

組織のあり方でも議連は〝逆風〟にさらされている。平成24年12月から約10年にわたって議連会長を務めてきた尾辻秀久氏が今月3日、参院議長に就任し、「議長は議連会長を全部やめるのが慣例」として退任の意向を示した。また、議連の事務局長を務めていた日本遺族会会長の水落敏栄前参院議員が7月の参院選で落選。事実上、2トップが不在の状態にある。

議連は10月17日からの秋季例大祭までに新体制と今後の活動方針を決める予定。歴代首相に在任中の参拝を求めるなど参拝の意義を発信してきたが、コロナ禍で活動が制約される中、今後も存在感を維持できるかが課題となる。(原川貴郎)

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