【盆休みケンモ科学そうなん室】ゴキブリが素早い理由、二足歩行で走るからだった [992695496]
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ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓
https://honz.jp/articles/-/52134
「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌食になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取った本でした。
序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。
ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう書いてありました。
“キリストトカゲにせよヴェロキラプトルにせよ、二足歩行の利点とは要はスピードだと思われる。ゴキブリでさえ、非常時には二本足で立ち上がって全速力で走る。”
「ちょっと待て!」とわたしは思いました。ゴキブリは短距離ならば飛びもするし、普通でさえ、かなりのスピードでササササと走りまわりますよね。
そこからさらに速度を上げるために、よりによって二本足で立ち上がって走ると!? いやいや、それはありえないでしょう。
第一に、ゴキブリのあの体を後脚二本で支えられるとは思えません。第二に、立ち上がって走り出そうものなら、あの薄っぺらい体にそなわる流体力学的メリット[風圧が小さくてすむ]は失われ、
ゴキブリは前方からの強い風圧を受けて後ろにひっくり返ってしまうでしょう。ゴキブリの二足走行なんて、流体力学的にもありえない!!
つづく
【長いので先に結論】
/⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
| / ブーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
>>1
つづき
そう思ったわたしは、もしかして翻訳者の赤根洋子氏が、何かうっかり誤読なさったのではないかと思い(赤根さん、ごめんなさい!)、ウェブ上で原文に当たってみたのです。
そしたらば、原文はたしかに赤根さんの訳文どおりになっていました。これは誤訳ではない。
では、ひょっとすると著者のジェレミー・デシルヴァが筆を滑らせて、余計な軽口を叩いてしまったのか….?
デシルヴァは親しみやすく楽しい文章を書く人みたいだけど、ゴキブリに関してこんなありえないことを書くなんて、いったいこの著者、信用していいのかな?
こうして著者に不信感を抱いてしまったわたしは、こんな気持ちで読み続けてもしかたがないと本を置いたのではなく(笑)、
ゴキブリの二足走行について調べはじめました。そしたらば、驚くべきことが次々と明らかになったのです。
動物がどのように走るのかという問題をめぐる論争ということでは、馬の走り方に関するものが有名でしょう。
馬が走るとき、四本の脚が同時に地面を離れる瞬間はあるのかないのかという問題が、懸賞金までかかる論争に発展したのです。
この問題が解決したのは、高速写真撮影というテクノロジーが発展したおかげでした(解決は1877年)。
それ以降、四肢動物(馬や人間はもちろん、鳥類もこれに含まれるわりと広いくくりです)の歩様(歩き方、走り方)については、実験面でも理論の面でも解明が進みました。
つづく
>>2
つづき
そこで人間の場合を例として、基本的なところをざっくり押さえておくと、人間の「歩き方」については「逆振子モデル」で説明されるのが普通のようです(本書でもそうなっています)。
軸におもりのついた振子を、上下ひっくり返したようなものをイメージしてください。踏み出した足が軸、われわれの身体が(上下逆になった)振り子のおもりです。
われわれが脚を交互に踏み出すにつれて、おもりが円弧を描き(上下に動きながら)、振子と同様、重力の位置エネルギーを利用しつつ推進力を生み出すというわけです。
一方、人間の「走り方」については、「ポゴスティク・モデル」で説明されることが多いようです。ポゴスティクとは(日本では「ホッピング」という名前で知られているかも?)、
一本の棒にハンドルとバネが取り付けられた遊具で、ハンドルを手で持ち、バネでぴょんぴょん跳ねて移動します。
重力とバネの位置エネルギーを利用して、推進力を得るわけです。人間の場合には、筋肉や腱がバネの役目を果たし、重力も利用しつつ推進することになります。
さて、人間や馬といった大型の四肢動物であれば、脚もしっかりと大きいし、動きもゆったりしているため調べやすいのですが、節足動物となると、話はぐっとややこしくなります。
ゴキブリやムカデは、脚が小さいだけでなく本数も多いし、動きもやたら細かいせいで、観察するのがとても難しいのです。
そんなこんなで、節足動物の歩様については、長きにわたってほとんど研究されないまま、「きっとこんな仕組みになっているんだろうな…」と誰もが思い込んでいたのが、ホイール・モデルでした。
ホイール・モデルは、車輪を回転させるように、たくさんの足がなめらかに動くことで、体を上下させることなく(逆振子やポゴスティックでは体が上下する)移動するというものです。
「昆虫の安定性・機動性に倣え!」とばかり、根拠のないホイール・モデルにもとづいてロボットを作ってみたところ、
昆虫の機動力には及びもつかないデキの悪いロボットができてしまった、という時代もあったようです。
つづく
>>3
そこで基本に立ち返り、そもそもの節足動物の歩様をきちんと調べてみようじゃないかということになり、1980年代末に、カリフォルニア大学バークレー校を中心に、
高感度タッチセンサー(昆虫の脚が着地しているかどうかを一本ずつ記録できるような装置)を開発するなどして、高度な実験・観察が行われるようになりました。
(小さな昆虫の歩様は画像として記録するのも一苦労で、脚を一本ずつ識別しやすいように、片側の脚だけ白くペイントするといった、細かい努力の積み重ねがあったようです。実験というのは、ほんとに見えない工夫の積み重ねですね….)
その取り組みの中で、節足動物について驚くべき事実が次々と明らかになったのですが、ここはゴキブリに的を絞りましょう。
ゴキブリの運動は、ホイール・モデルではまったく説明できませんでした。実際には、ゴキブリの前脚はむしろブレーキのような働きをしていた。
中脚は、ポゴスティック・モデルが当てはまりました。それに対して後脚は、もっぱら推進力を担っていたのです。たとえば、ゴキブリが斜面や段差を軽々と移動するときには、
たしかに前脚も地面に触れているものの、前脚で体を引っ張り上げたりはしません。ゴキブリはもっぱら後脚の強力なパワーで移動しているのです。
つまり、わたしの第一の仮説「ゴキブリの後脚には、ゴキブリの体を支えることはできない」というのはまったくの誤りだったのです。
さらに驚くべきは、ゴキブリがトップスピードで移動するときには、体を23度の角度に浮かせていることがわかったのです!
コンコルド(じゃなくてもいいけど)が離陸するときの姿をイメージしてください。体を傾ければ、前脚と中脚は宙に浮く。前脚と中脚がちまちまと動いたのではスピードが出ないため、
ゴキブリは前方の四脚を宙に浮かせて、後脚の推進力を最大限に解き放ち、大きなストライドで疾走していたのです!!
ここで重要なのは、流体力学的な空気の効果です。わたしは「ゴキブリが立ち上がったりすれば、前方からの風圧で、すぐに後ろにひっくりかえってしまうだろう」と考えましたが、
実際には、前面から吹き付ける風がトップスピードで疾走するゴキブリの傾斜した体を支えていたのです!! これは、風洞実験により確認された事実です。
以下ソース
(おわり) とてもおもしろい
こないだ雨の日にアパートの階段を逃げていったゴキブリも体を23度に傾けていたわけか ゴキブリを風呂場に閉じ込めるとだんだん弱ってゆっくりとしか歩けなくなる
のそのそ歩いてる姿を見るとカブトムシか何かに見えてきて
だんだん可愛く見えてくるから不思議だ 風呂の排水口掃除しようと開けたらダッシュで出てきてダッシュで帰っていった
とりあえずカビキラーぶち込んで見なかったことにした
>>6
ソースの文章構成がしっかりしてたので端折るのが難しかった
猛省して次にイカして参ります >>4
やっばこれ
クソ笑える
よく調べたなwww😹 夜道で排水口から二足歩行で出てきたのは幻じゃなかったのか
カニかと思った これは初耳だがやべえとき二足歩行になる生物の話他にもあった気がするな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています