https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2009T0Q2A820C2000000/

iPhoneに脆弱性、乗っ取りの恐れ AppleがOS更新推奨

米アップルは19日までにスマートフォン「iPhone」などの基本ソフト(OS)に新たな脆弱性が見つかったと明らかにした。ハッカーらによって欠陥が活発に悪用されている可能性があり、同社は修正済みの最新OSへの更新を呼びかけている。

アップルが公表したセキュリティー報告書によると、欠陥はiPhoneやタブレット端末「iPad」、パソコン「Mac」などのOSで見つかった。悪意をもって細工されたウェブ上のコンテンツを処理すると、任意のコードが実行される可能性がある。専門家は攻撃者によって端末が乗っ取られるおそれがあると指摘している。

ソフトウエアの開発元が脆弱性に気づいて修正する前に、セキュリティー上の欠陥を突く手法は「ゼロデイ攻撃」と呼ばれ、防ぐのが難しいとされる。iPhoneでも未発見の欠陥が国家の支援を受けるハッカーらに悪用され、要人やジャーナリストらへの高度な標的型サイバー攻撃を許してきた。

米セキュリティー会社、ソーシャルプルーフセキュリティーのレイチェル・トバック最高経営責任者(CEO)はツイッター上で「この種の脆弱性はよくあることだ」と指摘したうえで、ジャーナリストや社会活動家であれば早めにOSを更新するよう呼びかけている。

アップルは2022年秋に配布を始める「iOS 16」などの最新OSで、ハッキングの手がかりとなるおそれのある一部の機能を制限できる「ロックダウンモード」を導入する予定だ。スパイウエアなどを使った標的型サイバー攻撃の被害を受けにくくできるという。