いなり寿司とのり巻きの入ったお弁当をなぜ「助六寿司」というの?名前の由来は歌舞伎にあり? | TRILL【トリル】
https://trilltrill.jp/articles/2770216

いなり寿司とのり巻きの入ったお弁当の「助六寿司」。 コンビニやスーパーなどでも売られているのでこのお弁当の名前の由来はご存知でしょうか?

6を助けるというのは意味がわからないですし、昔の人の名前っぽくもあるので作った人の名前かな?とかいろいろ考えてしまいますが・・・、実は助六という名前は歌舞伎の演目に出てくる主役の名前です。 なぜ歌舞伎の登場人物の名前がお弁当に付けられたのか、そこには江戸っ子の粋で洒落のきいた理由がありました。

助六寿司の名前の由来

助六寿司は寿司と言っても生の海鮮類を使った寿司ではなく、卵焼きやカンピョウ、桜でんぶにしいたけなどの入ったのり巻きといなり寿司という比較的傷みにくい食材を使った寿司のお弁当です。

語源は歌舞伎の演目から

助六という名前は歌舞伎の演目から来たといわれています。 その演目の名前は「助六由縁江戸桜」、通称「助六」と呼ばれています。

助六とは主人公の名前でもありますので、助六弁当の名前はこの主人公にあやかって付けられたということになります。

本当の由来は主人公ではなく恋人?

ではなぜ、いなり寿司とのり巻きの組み合わせのお弁当が助六になったのでしょうか。 実はそこには主人公の助六ではなく、吉原の花魁で恋人である「揚巻(あげまき)」という人物が関わっています。

助六寿司に入ったいなり寿司の油揚げ、のりで巻いたのり巻きは「揚巻」を想起させます。 そこで直接、揚巻弁当ではなく、恋人の助六の名前から「助六弁当」と呼ばれるようになったのです。

揚巻の名前を直接付けなかったのは助六の名前を付けることで、揚巻が助六とずっと一緒にいられるようにした江戸っ子の洒落た心配りともいわれています。

また、助六由縁江戸桜という演目も、主人公である助六という人物も非常に人気があったことから、このお弁当も助六のように人気が出るように思いが込められて付けられたともいわれています。