本を読んだ彼女の気持ちは揺らいだ。

 何より、「私の身体は、もうボロボロで、年寄り以上」と語った通り、心身が疲れ果てていた。統一協会信者の離婚は、役所に届けを出せば終わりというわけではないが、それでも「家を出て一人で生活したい」と考えたそうだ。

 何より、「二人の子どもたちを見る彼女の母親としての視点が変わった」という。「二人の子どもたちは文鮮明の子で、私の子どもじゃない」と思うと、疎ましく思う気持ちが大きくなっていったのだ。

 親の変化に敏感な二人の子どもは、不安から、それまで以上に母親にまとわりつくようになった。そうすると、“文鮮明”の子どもにまとわりつかれていると感じる母親は、ますます我が子を疎ましく思う。

 二人の子どもたちは結局、九州の父方の実家に預けられることになった。

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220830-00061005-president-column