まさにそのような感じの、9月15日午後の中ロ首脳会談だった。CCTV(中国中央電視台)は、41回目となる習近平・プーチン会談を映像入りで報じていた。だが、コロナ対策として十分なソーシャルディスタンスを取ったテーブルの配置が、かえって中ロの「距離感」を感じさせた。

 向かって右手に座った習近平主席は、皇帝然として、笑顔の一つもなく、机上の紙に書かれたことを読み上げていた。対する左手に座ったプーチン大統領は、まるで追い詰められた狼のような苦悶の表情で、イラつきながら落ち着きなく聞いている。その両サイドに座った側近たちも、暗く俯いたままだ。

CCTVのアナウンサーは、両首脳は「核心的利益の相互支持を再確認した」と述べていた。これは、前回6月15日の両首脳のオンライン会談でも確認し合ったことだ。アナウンサーはその例として、「台湾は中国の不可分の領土」であることを挙げていたが、「ウクライナはロシアの不可分の領土」とは言わなかった。

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