「社会的な成功こそが正義」といった価値観も見え隠れする現在の日本。YouTubeの心霊系チャンネルが登録者数20万人を超える「視えすぎ芸人」シークエンスはやともさんいわく「そうした価値観が強くなりすぎた結果、自分を失った一見“いい人”が生まれ、結果としてまわりの人を傷つけている」と言います。たとえば「子供=清い」と無条件に捉える人なども要注意だそうで――。

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◆”中高生”の恋愛物語を”大人”が好んで見ている日本

海外旅行でその国の文化に触れたりすると、逆に日本特有の文化が浮き彫りになってくるものです。

その中の一つに、日本人は異常なぐらいに、学生を主役にしたドラマや映画が好きだというのがあるのではないでしょうか。

例えばアニメやファンタジー作品において、設定されるキャストは多くが子供。冒険に行くのも、アニメ化されるのも子供ばかりだし、子供を主役にした物語がとても多いと思います。

そして、他の国と圧倒的に違うのは、それを大人たちが好んで見ていること。

海外にも、学生や子供を主役にした作品はたくさんありますが、基本的に同年代の子供たちを中心に楽しむもので、それを前提に作られているものが多いと思います。

ところが日本では、中学生、高校生たちが恋愛物語を繰り広げる様子を、学生たちよりずっと多くの大人たちが楽しんで視聴している。これは世界から見ると、かなり稀有な文化だと思います。

◆“子供は何をしても清い”という思想

なぜこんな文化が生まれたかと言うと、日本人は“幼い”という言葉に、純粋さや尊さみたいなものが凝縮されているという幻想を抱いているからではないでしょうか。

そして、学生の存在もまた、清く捉えすぎているのだと思います。

つまり、学生や幼い子供たちは、過ちを犯しても、努力を重ねた末に失敗をしても、何をやっても美しいと捉えてしまう。ある意味、“子供は何をしても清い”という思想が、根付いているのかもしれません。

そうなると、大人は世間ずれして汚い、大人はずる賢くて悪いという構図も成り立ちます。

大人の社会に、純粋さや清らかさを持っている人はいないという思考になり、だからこそいつまでも無邪気で、少年少女のような感覚を持った大人が魅力的に見えるのかもしれません。

略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/201dd03162ca29414178d8d88dec452c5e6a6786

了)